2008.4.7
一部修正
海津 正倫
(うみつ まさとも)
名古屋大学大学院環境学研究科教授
専門:自然地理学,地形学,第四紀学,古環境変動研究,自然災害研究
研究分野:
沖積低地の地形発達史
第四紀末期の環境変動史
地球規模の環境変化と海岸環境
平野/海岸域の自然災害
研究室:名古屋大学大学院環境学研究科地理学研究室
〒464-8601 名古屋市千種区不老町 名古屋大学環境学研究科(環境総合館6F)
電話:052-789-2270 Fax:052-789-3452
e-mail:umitsu.m@gmail.com
略歴:
1947年生まれ.東京都出身
1978年 東京大学大学院理学系研究科地理学専門課程博士課程修了 (理学博士)
1979-1985年 愛媛大学教育学部助手/講師/助教授
1985年 名古屋大学文学部助教授,1995年同教授,2000年同文学研究科教授
1994−97年 名古屋大学国際開発研究科助教授/教授(協力講座)
1997−2000年 東京大学大学院理学系研究科教授(併任)
2001年− 名古屋大学大学院環境学研究科教授
2003−2004年 名古屋大学評議員
受賞等:
2008年3月 日本地理学会賞(特別賞)
2006年9月 海上保安庁第四管区海上保安本部長表彰
2006年3月 ケンタッキー州知事よりケンタッキーカーネルの称号を授与
主な研究課題(別項参照)
「地域特性にもとづく熱帯アジア臨海域の自然災害軽減に関わる研究連携」プロジェクト代表者
新生代第四紀,とくに後期更新世以降の環境変動史の解明と地形・人間活動との関わりについて検討.最終間氷期および後氷期における堆積物から環境変動を解読するとともに地形発達史を明らかにする.完新世における環境変化・地形変化に関してはボーリング調査などによって採取された沖積層の分析により,堆積環境・古地理・地形発達史を解明し,海水準変動や土砂供給量の変化,洪水の頻度などとの関わりについて検討.
2004年12月26日,世界を震撼させるニュースが飛び込んできた.スマトラ沖で発生したマグニチュード9の巨大地震と,それに伴う想像を絶するような津波災害のニュースである.
古くから人々の生活は自然環境と密接な関係をもち,自然環境の大きく依存してきた.とくに,日本をはじめとする東アジア,東南アジアなどの地域では稲作が行われる沖積平野や海岸平野が生活の場となっていることも多く,これらでは同時に洪水をはじめとする様々な災害の影響を強く受けてきた.なかでも,東南アジアの沖積平野・海岸平野では今日においてもインフラの整備が十分に行われていないところも多く,自然災害に対してきわめて脆弱な環境となっている.このような地域において発生した津波災害に関して,災害の実態やそのメカニズムを明らかにするとともに,自然環境と人間活動との関わりについて検討し,災害の復旧・復興に資することはきわめて意義深い.海津は津波被災地域であるタイのアンダマン海沿岸平野とインドネシアのバンダアチェにおいて2005年1月,3月,8月,9月の4回にわたって現地調査をおこなってきた.ここに紹介するのは現地の被災状況と調査結果の一部である.成果の一部は,インドネシアで開催された2回の国際会議と日本国内で開催された日本地理学会,日本地形学連合の大会などで報告し,海津編著(2005)でとりまとめられたほか,海津ほか(2006),Umitsu et al.(2007)などで発表される予定である.
人類はその出現以来,自然環境の中で生活し,自然環境に対してさまざまな働きかけをしてきた.とくに,沖積低地や三角州,海岸平野などの極めて地形的に不安定な地域では,人類はさまざまな制約の中で生活し,自然環境に対してさまざまな対応をしてきた.これらの地域における最終氷期以降の人間活動は急激な気候変化や海面上昇の影響を強く受け,さまざまな自然災害との戦いでもあった.近年注目されつつある地球温暖化にともなう海面上昇の影響などグローバルスケールからリージョナルスケールまで,三角州や海岸平野を中心に人間活動と自然環境との関わりについて多面的に検討する.